トロント時代(1935年3月〜1942年4月)


トロントの「旅路の果て荘」

ルーシー モード モンゴメリの夫の精神的病が進んだことから、ノーヴァルにおける牧師としての職を退くことになり、1935年に一家はノーヴァル東方のトロントに移り住みました。1911年に結婚してから、この年トロントに移るまで、教会所有の牧師館に住んでいたモードにとって、トロントの家は初めての私有財産でした。彼女はその家を「旅路の果て荘」と名付けましたが、その家は現在トロントの地下鉄ジェーン駅近くにあり、側の公園にはモードを記念する丸い碑が立っています。

「旅路の果て荘」は、オンタリオ湖に流れ出るハンバー川に面した緑深い高級住宅街にあります。この家の維持とふたりの息子の教育費を捻出するために、モードは創作のペンをとりました。彼女は再びアンシリーズを執筆、「アンの幸福」(1936)と「アンの愛の家庭」(1939)の合間に、新しい主人公ジェーンを生みだし、「丘の家のジェーン」(1937)を出版。この物語はトロントとPEI(プリンスエドワード島)双方を舞台にしています。

「パットお嬢さん」が出版された1935年にモードは、フランス芸術員会員に選ばれるとともに、ジョージ5世在位 25年を祝う特別叙勲で大英帝国勲位をオタワにて授与されるという栄誉に輝いています。このことから、作家としての彼女は世界的に認められたといえるでしょう。その半面、夫の病やふたりの息子の将来を懸念するモードの私生活は、彼女の日記から判断するとあまりにつらく不幸とも呼べるものです。時代が第二次対戦に向かうにつれて、彼女の憂鬱な日々が続きます。

若き日に「旅路の果て荘」のモードを訪ねたことのある児童文学作家、Bernice Thurman Hunterは、モードとの貴重な面会を彼女の作品「As Ever, Booky」にいきいきと書き表しています。モンゴメリの作品の影響を受けたり、または慣れ親しんだという女流作家には、Kit Pearson, Jane Urquhart, Alice Munro, Jean Littleなどがおり、彼女たちは現在カナダの文壇で活躍しています。

ルーシー モード モンゴメリは、1942年4月24日に「旅路の果て荘」にて息をひきとりました。モードの遺体は、彼女が生涯愛して止まなかったPEIのキャベンディッシュの墓地に埋葬されました。夫ユーアンは、その翌年に亡くなり、同じ墓地にモードとともに眠っています。

Yukazine

モンゴメリ

P.E.I.

リースクデール

ノーヴァル

トロント

バラ

由佳のホーム

 

Copyright 2001 Yuka Kajihara